■専利(特許・実用新案・意匠)
専利権とは社会に有益な発明・創作を創出した者に対し、中国国務院専利行政部門が専利法に基づいて、「創出と公開の代償」として付与する権利です。
中国では、この制度は1985年以来40年の歴史を持ち、発明・創作者に最大20年間の独占実施権を保障する仕組みとなっています。
弊所は中国と国際の特許・実用新案・意匠業務を扱っております。
特許・実用新案・意匠を含む専利制度
中国の専利制度には
・発明専利 (特許に相当、存続期限20年)
・実用新型専利 (実用新案に相当、存続期限10年)
・外観設計専利 (意匠に相当、存続期限15年)
という三種類の専利が含まれています。
専利権を取るメリット
専利権は専利の実施権を独占する権利であるから、該当専利に係る市場を独占できます。
従って、専利権を取得すると下記のメリットが得られます。
・製品シェアの拡大
・価格競争を回避
・侵害者に差止請求や損害賠償請求ができます
専利権は中国本土だけ有効
香港、マカオ、台湾は中国の一部ですが、中国全域で権利を保護するために、
出願は別々に行わなければなりません(全部出願する場合は本土、香港、マカオ、台湾合計4件)。
中国の特許と実用新案の違い
企業は技術の革新度や市場戦略に応じて、早期権利化とコスト削減を重視する場合は実用新案を、
長期的保護や高度な保護が必要な場合は特許を選ぶべきです。
・特許は新規性、進歩性、産業応用可能性などを、実体審査されるのに対して、
実用新案は形式的な要件を満たしているかどうかという方式審査のみで登録されます。
・実用新案権を行使する時、技術評価書は求められるが、特許より低い進歩性の要求で認められます。
・特許より、実用新案は権利付与までの時間が短く、登録されやすく、費用も安いです。
・特許の存続期間が20年であるのに対して、実用新案は10年です。
・特許が製品及び方法を保護するのに対して、実用新案は製品しか保護できません。
日本の実用新案と中国の実用新案の違い
早期権利化を求める企業にとって、中国の実用新案は日本より実用的な選択肢だと言えます。
・日本より、中国の実用新案が求められる進歩性は低いし、その基準も法的に定められているので、
明細書作成の時から無効のリスクを回避できます。そのため、中国の実用新案は日本のより無効しにくいです。
・実用新案権を行使する際に、日本においては技術報告書を侵害者に提示しないといけない一方、
中国においてそういう必要はなく、裁判所に要求されてから提出すればよいことになっています。
特許と実用新案を同時に出願?
中国の専利法には、日本でいう出願変更制度はありません。
しかし、出願人は同一の発明について特許と実用新案との両方を同日に出願すること(同日出願声明が必要)ができます。
同日出願で先に実用新案権を取得して、審査で特許が登録査定となった際に、実用新案権の放棄をしたら特許権を得られます。
但し、同日出願は欠点もあります。
・コストがそれなりにかかります。
・実用新案と共に同日出願した特許の審査は普通より遅延させられます。
同日出願は、コストをかかっても早期権利化し、段階的に特許登録による20年にわたる長期的で
厳密な保護もされて欲しい企業にとって良い選択肢になっています。
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