■商標のマドプロ出願
従来のパリルート出願では、商標を複数国で保護するために、
出願人が6か月以内に各国の言語様式に応じて個別に出願する必要があり、
手間や費用が大きな負担となっていました。
この課題を解決するために、マドリッド協定及び議定書に基づく
国際商標出願制度(通称マドプロ出願)が整備されました。
この制度を利用すれば、一つの出願で複数の加盟国へ一括して商標出願が可能です。
日本出願を基礎として、日本語または英語で1通の出願書類を作成し、
WIPOを通じて各指定国へ送付されます。
マドプロ出願のメリット
・出願書類を1通、1言語でまとめて提出できるため、手続きが簡単。
・複数国への出願を一括管理・更新・名義変更が可能。
・3か国以上を対象とする場合、パリルートよりコストが抑えられます。
マドプロ出願のデメリット
・加盟国した指定できません。
・基礎出願が拒絶または取消された場合、国際登録に影響が及ぶ恐れがあります。
・指定国によっては、パリルート出願より時間がかかることもあります。
マドプロ出願に適しているケース
・複数の加盟国で同一内容の商標を出願したい場合。
・出願や更新、名義変更などを一括で効率的に管理したい場合。
・コストを抑えて国際展開を進めたい場合。
マドプロ出願は、コスト効率と管理のしやすさから、多国展開を目指す企業にとって
有効な手段です。
パリルート出願との併用で、コストと安定性をバランスして、
重要な市場はパリルート出願、一応カバーしたい市場はマドプロ出願など、
商標ポートフォリオの「点」と「面」を構築することも可能です。
弊所では、出願国の選定や各国の審査傾向に応じたアドバイスも含め、
マドプロ出願の戦略から登録、権利の保護まで一貫してサポートいたします。
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