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無効宣告請求におけるクレームの解釈

事件の概要

 広州聯柔機械設備有限公司(以下「聯柔公司」という)はベッドマット機械設備を製造する企業で、製品には数多くの知財権を有している。聯柔公司は2016年に、浙江省紹興市のあるベッドマット設備企業(以下「A社」という)は聯柔公司の専利権による製品をデッドコピーし、低価で販売していたことを発見した。そこで、権利行使のため、広州嘉権特許商標事務所(以下「嘉権」という)に依頼した。

 

 調査によって、嘉権はA社が製造、使用、販売の許諾を行っていた製品は聯柔公司が有しているZL201420645469.6号の実用新案権を侵害したことを発見した。A社に対して訴訟を提起したが、被告であるA社は関連の専利に対して無効審判を請求した。無効審判には、専利復審委員会は関連の専利がすべて有効する判決を下し、それは後の侵害訴訟において穏やかな権利基礎となっていた。山東省済南市中級人民法院は、被告は被疑侵害製品の生産及び販売を停止し、原告聯柔公司に25万元の経済損失金及び合理費用を支払う判決を下した。

 

法的根拠

 

『中華人民共和国専利法』

第五十九条 発明又は実用新案の特許権の保護範囲は、その権利要求の内容を基準とし、説明書及び付属図面は権利要求の解釈に用いることができる。

 

『最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈』

第6条 専利権の付与、若しくは無効宣告手続において、専利出願人や専利権者が請求項や明細書の修正、若しくは意見陳述を通して放棄した技術方案を、権利者が専利権侵害をめぐる紛争案件で改めて専利権の保護範囲に取り入れた場合には、人民法院はこれを支持しない。

 

『最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈(二)』

13 条 専利出願人、専利権者が専利権付与権利確認の手続きにおいて、専利請求の範囲、明細書及び図面の減縮補正又は陳述が明らかに否定されたことを権利者が証明した場合、人民法院は、当該補正又は陳述が技術案の放棄を導いていないことを認定しなければならない。

 

嘉権のコメント

 

本専利訴訟は無効審判に関わっており、無効審判の請求人は関連の専利のクレームをすべて無効にしようと企てたのみならず、専利権者がクレームに記載されている技術特徴について限定的に解釈することを誘導し、専利の保護範囲を減縮させ、後の訴訟において権利非侵害抗弁をする狙いでもあった。

 

無効審判は専利権の有無と専利の保護範囲に関わっており、クレームの保護範囲は専利権者の権利の境を確認する根拠となり、訴訟において多大な作用がある。本案の焦点は如何にして専利権者のため最大な保護範囲を勝ち取り、専利権者の合法権益を擁護するかにある。

 

 意見陳述を行う時、進歩性をめぐって専利復審委員会に充分に説明し、係争専利の技術的内容と引用文献との最も顕著な区別を理解させた。そして、口頭審理を行う時、進歩性を中心に、係争専利が従来の技術に大いに貢献することから論述し、係争専利の保護範囲、対応した技術的特徴に対して合理的な説明をし、専利復審委員会に専利権者の説明を認めてもらった。したがって、専利権者は後続の訴訟にも良い土台を構築した。

 

無効審判手続きにおいて、専利権者は専利権を守るため、クレームについて、余計な解釈及び限定をしがちである。禁反言の原則により、無効審判手続きにおいて、クレームについての解釈は保護範囲の減縮をもたらす可能性があり、「専利権は維持したが、保護は失った」状況を招き、専利権者の後続の権利行使にも悪影響を与える。

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